2020/03/05
【ケーブル使いこなしノウハウ集】 No.2 RCAケーブルの接続方向について
1.RCAケーブルの方向性とは?
メーカー製のRCAケーブルには、方向性表示の矢印の有るもの、無いものがあります。
方向性表示の有るものは、構造が方向により違いがあるもので、矢印をどの方向にするかはメーカーが自社の判断で決めているようです。
ケーブル工房TSUKASAで販売しているRCAケーブルは、シールドに音楽信号が流れないようにするため片側のみプラグのグランド側に接続しており、もう片方は接続していません。
これにより、接続方向によって音質が変化するため、方向性を持っています。
2.ケーブル工房TSUKASAのRCAケーブル方向性表示は、なぜ矢印表示ではないのか?
ケーブル工房TSUKASAのRCAケーブルの方向性表示は、矢印ではなく、シールドをプラグのグランドに接続している方に太い線と「Cable Shield Ground Point」の標記を行っています。
つまり、”こちら側でシールドをグランドに接続しています” という表示をしています。
本ケーブルを試作しているとき、当初は矢印表示にしようと考えていました。
そこで、”シールドをグランドに接続している方” を、上流機器(例:CDプレーヤー)と下流機器(例:アンプ)のどちら側が良いのか、ということをインターネットでかなり調査しました。
結果、両方の説があり、明快な答えは得られませんでした。
このことから、RCAケーブルをどの機器間で接続するのか、また、機器の設置環境によって正しい方向が変わるのではないかと考えるようになりました。
また、矢印の方向表示にしてしまうと、間違った方向で設置する場合もあり、更に矢印の方向表示があると、逆方向に接続して使用するのは心理的な抵抗が生じてしまうとも思いました。
これらのことから、ケーブル工房TSUKASAのRCAケーブルの方向表示は矢印ではなく、今の表示方法といたしました。
3.RCAケーブルの実際の方向はどう決めたらよいか
これは、両方試してみてくださいということになります。
ケーブルをお使いの方に両方向を試していただいたところ、次のご感想でした。
<RACケーブルの方向による音質の違い> ※ご利用者の感想
本ケーブルの接続方向としてシールドGND(シールドをグランドに接続している側)をアンプ側にという記載があるが、両方やった結果、シールドGNDはDAC側にしている。
アンプ側にするとドンシャリ的になり、高域が延びて解像度が上がったような感じがするがボーカルが平面的になり、音像全体にフォーカスが甘くなる。
我が家ではシールドGNDは上流の方が良い。これも機器との相性があるだろう。
結論としては、ご利用者に両方向を試していただき、決めていただくという結果となってしまいましたが、上記のような経緯です。
同じオーディオシステムでも、CDプレーヤーとプリアンプ間、プリアンプとパワーアンプ間でも、それぞれ最適な方向が変わる可能性があります。
少し手間はかかりますが、良い音を再生するため、ぜひ両方向をお試しいただけますよう、宜しくお願いいたします。
−以上−
【次回のお知らせ】
XLRケーブルの「2番HOT」「3番HOT]とは何かを解説いたします。
また、「2番HOT」と「3番HOT」の機器を接続する場合の方法も解説いたします。